TOPICS

クローズアップ7 トンボのブローチ

木々をさわさわと揺らす風に、
秋の訪れが感じられるようになりました。

今回は、夏から晩秋ごろまで、水辺や草地でよく見かける、
トンボを模したブローチをクローズアップいたします。

1757.jpg

フェデリーコ・ブチェラッティにとって、草花や小さな昆虫など、
自然の創造物はすべて、気高く表現するにふさわしい
魅力的な存在であるといえるでしょう。
そして美しさのためには、先入観にとらわれず、
自由な発想で素材を選ぶことがあります。

このブローチを見て、まず驚かされるのは、
乳白色をした優美な羽根ではないでしょうか。
「これは何でできているの?」と
みなさまにお尋ねをいただくこの羽根は、
フロスト加工されたクォーツで作られています。

1752.jpg

半透明のフロストクォーツだからこその繊細さと、
はかなげなニュアンスが醸し出されています。
表面には、流れるような細い線が彫られ、
ふわりとしたエアリーな表情が添えられています。
淡い輝きには、ほのかな精気さえ感じられるようです。

トンボの身体はゆるやかに曲線を描いています。
細工をこらしたホワイトゴールドと、
ダイヤモンドを散りばめたイエローゴールドとで、
細部に至るまで緻密に、昆虫らしい描写がされつつ、
上品に仕上げられています。
1748.jpg

1750.jpg
決して華美ではない、軽やかさのあるシンプルなジュエリーですが、
一度見たら忘れられない印象を残す、貴重な美しい作品です。
フェデリーコ・ブチェラッティの高い美意識と技が凝縮されています。

トンボは前にしか進まないことから「勝ち虫」という
縁起の良い呼び名もあるようです。

この清々しいトンボをさりげなく肩に留める時、
人生の折々に、新しい季節に進もうという、
凛とした勇気が湧いてくるかもしれません。